大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
キシメジの飛騨方言 |
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私:キシメジ黄占地・黄湿地 は担子菌類シメジ科のキノコ。飛騨方言では、しょうごいしめじ(くぐのの唄と祭ばやし・昭和61年刊行)。 君:共通の音韻は、しめじ、という事だけれど、キシメジ・シメジ、両者について説明をお願いね。 私:シメジは総称。キシメジはその下位分類で固有名称。シメジ科の傘は淡灰褐色が多いが、キシメジは黄色。つまりはキシメジは黄+湿地の複合名詞。 君:シメジの古語的解釈お願いね。 私:勿論、諸説があるが、しめぢ湿地、が原義だろうね。多くの語源辞典に記載がある。鎌倉時代の名語記(みょうごき)など。従って占地は後世の当て字という事がわかる。 君:飛騨方言も複合名詞よね。しょうごい、って何の意味なのかしら。 私:しょうごい、については小学館日本方言大辞典に詳しい。しろき白木、の意味。但し、しろき白木、は抽象名詞。 君:ほほほ、しろき、の具体例は何があるのかしら。 私:これがねえ、ざっと20種類の木本が紹介されている。飛騨では、そよご冬青、を意味する。 君:ほほほ、そよご冬青の木あたりに良く生えるからかしら。 私:さあ、どうだか。あれこれ妄想しても不毛というものだろう。何にしても、方言学というものは取り留めのない学問だ。 君:しめじ、の方言量って多いのかしらね。 私:三拍品詞にしては少ないね。ざっと三十ほどかな。注目すべきは、せんぼんひめじ(広島・比婆)、という音韻が唯一、しめじ、からの由来のもの。割愛させていただくが、他の方言は完全に別の音韻だ。全国的に他の地方では、しめじ、なのだから、如何に、しめぢ、という音韻が変化しにくい音韻であるかという事がわかる。日本神話に関する伝説地として知られる「比婆山御陵」、ひば、につられて、ひめじ、になったのかな、などと考えたくなる。 君:最近じゃ、飛騨方言だけじゃなくて各地の方言を手当たり次第に調べているのね。 私:いや、飛騨方言を主に調査、この基本姿勢は変わらない。 君:だったら、もう少し、そよご、についてお調べなさいな。ほほほ |
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