大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

コバイケソウの飛騨方言

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私:コバイケイソウ小梅蕙草はユリ科の多年草。学名は Veratrum stamineum。別名、こばいけい、ししのはばき。本州中部以北の深山の湿った草地に生える。飛騨方言は、ほとけぐさ、じごくぐさ("くぐのの唄と祭ばやし"・昭和61年刊行)。
君:コバイケイ小梅蕙草は当て字かしらね。
私:いや、名前の由来は、花が梅に似ており、葉が蕙蘭(けいらん、かをりぐさ)に似ているため。蕙はラン蘭の類の香草の総称だ。従って、国語学的には花の美称、瑞祥名という事になるね。
君:それにしても、久々野の方言のジゴクグサ地獄草は物騒だわよ。
私:それはとてもいいご指摘だ。可憐な花を咲かせるのに、根茎にはプロトベラトリン protoveratridine 等のアルカロイドを含み、有毒。誤って食べてしまうと嘔吐やけいれんを引き起こし、重篤な場合は死に至る。若芽が山菜のオオバギボウシなどに似ていることから、誤食による食中毒が毎年発生しているとの事。
君:なるほど、たかが方言、されど方言、決して食べるなという先人の知恵というわけね。
私:まさにその通り。
君:ほとけぐさ、という名前が confounding なのよね。
私:その通り。可憐な花をめでて仏草といっているのか、あるいは、食べると浄土んらのお迎えが来ますよ、という意味なのか、果たしてどちらなのだろう。
君:困ったわね。ましてや地獄で仏という意味ではないし。ほほほ

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