大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

むくげ飛騨方言

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私:ムクゲ木槿はアオイ科フヨウ属の落葉樹。古くは波知須(はちす、万葉集)、木波知須(きはちす、類聚名義抄)。異名としては、はちす、もくげ、ゆうかげぐさ。学名は Hibiscus syriacus。中国が原産で、漢名は木槿(ムーチン、もくきん)。日本では平安時代初期には既に観賞用に植えられていた。季語は秋。飛騨方言は、むくい、むくぎ。
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君:はちす、ってハス蓮の古名よ。
私:その通り。記歌謡95に婆知須。つまりは奈良時代の音韻は、ばちす。
君:槿って、少しばかり悲しい意味よね。きん菫が音を表し、乏しいの語源(僅少)から来ているのだから。夏から秋にかけて美しい花が開くものの、一日でしぼむので、はかないことの例え。寿命がわずかな木の意ね。
私:うん。牡丹散ってうち重なりぬ二、三片に通じるね。
君:ゆうかげぐさ、も、はかなさの象徴の言葉だわ。
私:人生はあっという間だ。それはさておき、むくげ、は漢名・木槿を日本人なりに発音して、という事なんだろうね。
君:そう。当て字じゃないわよ。初めに漢語あり。
私:それじゃあ、方言学と参ろうか。ムクゲ木槿の方言量は多いか、少ないか?
君:それは答えを教えたも同然の質問よ。正解はどちらともいえない。
私:その通り。方言量はざっと60位かな。どちらともいえないね。その理由は何?
君:おっと、そうきたのね。多くない理由としては三モーラ、つまり少ない音韻数。多い理由としては、少なくとも、むくげの系統とはちすの系統があるからね。
私:その通り。それに、ぼん〰の系統もあるんだよ。これはお盆から来ている言葉だよね。
君:多分ね。言うのは自由よ。信ずるかどうかは読者様次第。
私:飛騨方言も共通語ムクゲの音韻変化。つまりは訛り。
君:それと飛騨でも観賞用で愛されているムクゲ。ほほほ

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