大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

なんてん飛騨方言

戻る

私:ナンテン南天は中国原産のメギ科の常緑低木。学名は Nandina domestica。英名は Sacred bamboo。異名は無い。漢名は南天竹、南天燭。季語は夏。飛騨方言は、なるてん、なりてん。
wiki

君:ほほほ、漢名がそのまま日本語に。つまりは外来語ね。
私:うん、厳密には竹、燭の字の省略だ。藤原定家の明月記(1230)に初めて登場する。明応五年本節用集(1496)にはナンテン南天となっているから、平安時代の外来語が室町時代以降に現代語と同じになったという事だ。
君:南天とは南の空の意味もあるから、同音異義語になったのね。
私:その通り。日葡辞書には南の空は Nanden、 メギ科の常緑低木は Nanten と記載されている。つまり明らかに異音異義語だ。
君:なるほどね。日葡辞書って大切ね。
私:ついでだが、日葡には満天の雪 Mantenno yuqi の記載もある。つまりは、ゆらぎ。音韻学的には相通とかいうのだっけ。
君:という事で、飛騨方言のお話ね。なるてん、なりてん、のお出まし。
私:うん。これも、発音のゆらぎ、つまりは訛り、n音r音相通現象によって日本で訛ったもの。
君:他に例はあるかしら。
私:日本語の特色といってもいい。つるが敦賀だが、つぬが角鹿、から、つのが、つるが、へと変化した。さるがく猿楽は、さんがく散楽からの相通現象だ。身近な言葉にさりげなく潜んでいる。
君:密通していのね。ほほほ

ページ先頭に戻る