大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

のりうつぎ飛騨方言

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私:ノリウツギ糊空木(糊樹)は嘗てはユキノシタ科に分類されていたが、アジサイ科の落葉低木。学名は Hydrangea paniculata。各地の山地に生える。異名としては、のりのき、にべのき、とろろのき、さびた。漢名は水亞木(圓錐繡球)。飛騨方言は、かぶらぎ、のりのき。
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君:嘗てはユキノシタ科とは。つまりは間違いという意味ね。
私:そう。学問の進歩というものがある。新エングラー体系はアドルフ・エングラーが提唱したエングラー体系をもとに、1953年及び1964年にハンス・メルヒオール (Hans Melchior) らが提唱した植物の分類体系だが、ここではユキノシタ科だった。分子系統学というものが発展して、生物のもつタンパク質のアミノ酸配列や遺伝子の塩基配列を用いて系統解析するようになった。APG体系という1998年に公表された被子植物の新しい分類体系ではアジサイ科になった。
君:つまりはマクロ形態的な仮説を根拠に帰納的に分類体系を作り上げたのが新エングラー体系で、ゲノム解析から実証的に分類体系を構築したのがAPG体系なのね。
私:そう。牧野博士もびっくり。全否定。
君:そんな言い方はないわよ。
私:そうだね。学問というものはそういうもの。その時代の方法論の最先端が答え。
君:そんな人の心はお花さんにはわからないわ。
私:日本語の話に限定しよう。名前の由来は、幹の内皮から製紙用の糊を採った事による。ウツギ空木はまた別の植物で、ユキノシタ科の落葉低木。中空である事から来ている。
君:それはストレートな話で、わかりやすいわね。異名についても推して知るべし的な感じね。飛騨方言かぶらぎ、についてはどう思う?
私:意味がわからないね。方言学的には、福井・飛騨・長野にまたがる広域方言らしい。越中にも、かぶらうつぎ、の方言がある。
君:第一に、かぶらぎ、って人の名前、苗字よ。福井県に地名もあるわ。甲楽城(かぶらぎ)漁港。ほほほ

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