大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
サルナシの飛騨方言 |
戻る |
私:サルナシ猿梨、学名 Actinidia arguta, i.e., the hardy kiwi, はマタタビ科の落葉つる性低木。別名、しらくちづる、みずづる、やぶなし。飛騨方言は、こくぼ("くぐのの唄と祭ばやし"・昭和61年刊行)。 https://www.uekipedia.jp/%E3%81%A4%E3%82%8B%E6%80%A7%E6%A4%8D%E7%89%A9/%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%83%8A%E3%82%B7/ ![]() 君:おサルさんが好きな梨、と言うような意味ね。 私:まあ、そんなところだ。 君:みずづる、やぶなし、この両語については説明は不要として、しらくち、について何か補足の説明は? 私:うん。サルナシの方言量は約20で、つまりは極端に少ない。ただし、しらくち、が方言に残る地域は本州全域で、一番に多いんだ。つまりは、しらくち、はかつての中央の言葉にて方言周圏論的に全国に広まった言葉ではないかという事が直感的にわかる。 君:なるほど、では飛騨方言の、こくぼ、についてはどうかしら。 私:それもとてもいい質問だ。実はサルナシの方言で、二番目に多いのが、こくわ。これも全国的にみられる。 君:こくわ、は小桑の意味よね。 私:うん、そうとしか考えられないな。そして出てくるのが、飛騨方言こくぼ。 君:なるほど、こくわ、の音韻変化が、こくぼ、というわけね。 私:だろうな。こくわ、系統の音韻は、コクオー、コッカ、コッコー、くらいかな。ここに、飛騨方言・コクボが加わる。それ以上の事は不明です。蛇足ながら、マタタビ科の旧称がサルナシ科。・・・ネット情報によれば、サルナシとマタタビは日本全国に自生、マタタビは開花期頃から葉の先が白色化するため探し出し易いのに対し、サルナシは葉柄が赤紫色である事ぐらいしか目立つ特徴はなく、また、マタタビに比べて自生数が少ないため、注意深く探さないとなかなか見つけ出す事は出来ないとの事。 君:サルナシ(こくわ)の方言にも実は二種類の系統があり、こくわ>こくお>こくぼ・こっこ、あるいは、こくわ>こっか・こっこー、の二系統があるという事ね。ほほほ |
ページ先頭に戻る |