大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

ショウジョウバカマ飛騨方言

戻る

私:ショウジョウバカマ猩猩袴 Heloniopsis orientalis はユリ科の多年草だね。各地の湿った山地の斜面に生える。飛騨方言は、たうちばな。

君:まずは共通語の語源からね。
私:うん。猩猩袴は猩猩と袴の複合名刺。花を猩猩に、下に広がる葉を袴に見立ててこの名があるという。猩猩って何のこと?
君:ええっと、想像上の動物。
私:まあそんなところだ。オランウータンの別名だね。中国語では xīngxīng 。つまりショウジョウ猩猩は外来語。日本人により知られている猩猩は能面のひとつで、この場合は妖精の少年。想像上という事で、猿に似て体は朱紅色の毛におおわれ、顔はヒト、声は小児の鳴き声、人語を解し、酒を好む。以上からするとオランウータンではありえない。ただし画像からそんな雰囲気が出ているかな?
君:ほほほ、相当に無理があるわね。百歩譲って、袴はそれらしいわ。
私:まあね。方言量としてはザっと百。たうちばな、は飛騨にしかない。つまり俚言。
君:たうちばな、の語源は書くまでもないわね。田打ち、つまりは初春のころに咲く花だから、という事ね。
私:その通り。冬が過ぎて、田んぼの雪が解け、田を備中鍬で鋤き起こし、土壌に酸素を入れる。一年の農耕に始まり。そんな時に咲く花。
君:全国広しといえども、飛騨の俚言というところが飛騨方言の言葉の美学というところね。ほほほ

ページ先頭に戻る