大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

シュンラン飛騨方言

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私:シュンラン春蘭 Cymbidium goeringii はラン科の常緑多年草だね。各地の乾いた山野に生え、観賞用にも栽培される。日本を代表する人気の野生ランの一つだが、実は洋ランとして親しまれているシンビジウムの仲間だ。飛騨方言が、やまらん。
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君:まずは共通語の語源からね。
私:うん。春蘭は漢名。従って元来の和語としての花の名前が問題、という事になるが、実は判然としない。異名としては、ほくろ、がある。ただし、ほくろ、は和語ではない。ほくろ黒子は古くは、ははくそ、と呼ばれいていた。あざ痣との区別は必ずしも厳密ではなかった。ハワクロ、ハウクロ、と音韻変化し、中世末から、ホクロ、となった。従って漢名のほうが古い言葉。
君:なるほど、古代からランはランだったのね。
私:その通りなんだが、漢名に蘭の字を含む植物は多種多様であり、従って我が国において古く、蘭、と表記されている場合、いかに訓読し、いかなる植物を一々明らかにすることは極めて困難だね。蘭、はしばしば、あららぎ、と付訓されるが、これについても種類の同定は困難。
君:春蘭の方言量は多そうね。
私:その通り。ザっと二百。全国に自生するし、やまらん、は全国共通方言だね。春蘭の方言でも、キク菊、ユリ百合、を冠した言葉も多いし。
君:やまらんの語源はヤマ+ランの複合名詞、これ以上の説明は不要ね。ほほほ

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