大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

スイミツ飛騨方言

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私:スイミツ水密は果肉が堅く甘みの少ない在来の食用桃に対して、大正初期から全国に普及した改良種に対する呼び名。果肉が柔軟多汁という事で、現在の食用桃の大部分がこの系統のものなんだ。水蜜桃ともいう。上海水蜜桃系の品種だ。飛騨方言は、けもも。
君:なるほど、スイミツは近代語だったのね。
私:そのとおり。方言量は僅少というべきか。全国の方言資料にはあまり出てこない。ただし、飛騨方言・けもも、は全国共通方言、厳密には本州各地。
君:近代語につき、方言量が少ないのは理解できるわ。でも全国共通方言という事は、見ての通りの桃です、という事で自然発生的に生まれた言葉よね。
私:まあ、そんなところだろう。残念ながら証拠がないけれどね。それに、もも桃の方言を考える場合、ひとつ、厄介な問題が存在する。
君:厄介?
私:スモモ李・モモ桃、これの混同。どの方言が、どの意味なのか、という問題。飛騨では、スモモ・モモ、両者の総称として、けもも、が使われるとの記載もある(土田吉左衛門・飛騨のことば)。
君:李も桃も、桃のうち。ほほほ

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