大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
スミレ飛騨方言 |
戻る |
私:スミレ菫 は双子葉植物の一科、22属900種ほどある。世界に広く分布する。異名としては、すもうとり、すもうとりぐさ、すもうばな、かぎとりばな、かけひきばな、ひとばぐさ、ふたばぐさ、たむけぐさ、等々、切りがない。飛騨方言は、すもとりばな、もじすりぐさ、ねじばな、ぢぢばば、位かな。 君:なるほど、スミレは和語かしら。 私:そのとおり。万葉集1424にある。須美礼。 君:語源の解説をお願いね。 私:私見を述べさせていただくと、そんなものあるわけないでしょう、が結論。ただし、広く信じられている説が二つあって、ひとつは、墨入れ。もうひとつは、つむ摘。語源の探求というものは古来、人々を魅了し続けてきた。牧野富太郎説というものもある。ただし語誌が全てという僕の立場からは、現に万葉集に、すみれ、という音韻がある以上、それ以上の詮索はよしましょうよ、と申し上げたい。古来から、すみれ、は、すみれ、だ( and nothing else )。 君:ほほほ、まあまあ、でも、相撲取り草については、これはもう、あの説でいくしかないわね。 私:うん、花びらが絡み合って、二人のお相撲さんが取っ組み合いをしている様からの連想だね。飛騨方言はその訛り。文字擦り、捩じり、も同様の発想から。つまりは花びらの形態。蛇足ながら、すみれ、の方言量は約300。これだけでも文庫本一冊ができそう。ぢぢばば爺婆については、故郷・久々野町資料にしか出てこない。ところが、これが全国共通方言、また、この言葉の音韻変化の方言も多い。つまりは、方言学というものは油断も隙もあったものではない。 君:隅に置けないわね。ほほほ |
ページ先頭に戻る |