大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

ウラシマソウの飛騨方言

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私:当サイトもいよいよ、佳境に入ってきた。ウラシマソウはサトイモ科の多年草だ。飛騨方言では、しゃっぽばな。どこにでも書かれている事としては、ウラシマソウの語源は、細長く伸びて垂れた花軸の先の付属物を浦島太郎の釣り糸に見立てて、だそうだ。
君:飛騨方言の語源はシャッポ(帽子、仏語)+花、という近世語の複合名詞ね。包葉が壺状という、こちらも形状からの類推ね。
私:その通り。シャッポはフランス語につき、近代語であり、江戸時代には無かった日本語。ウラシマソウは本州・四国を中心に、全国に自生する植物だけに、飛騨方言が近世語というのおかしいね。また、更に飛騨方言では、事態を混乱させる事がある。飛騨方言ではウラシマソウとは似ても似つかぬ花・百日草の事もシャッポバナというんだ。つまり同音異義語。
君:ほほほ、つまりはシャッポバナという音韻は全国各地で同音異義語なのかしらね。
私:ワオ、鋭いご指摘だ。まさにその通り。ほとほと困り果てる方言の世界というか、まあ、それなりに奥深い世界なんだ。
君:ウラシマソウは湿原のような薄暗い所に生えているのだし、百日草はカラッと、明るい花ね。ほほほ
私:ウラシマソウは赤い実をつけるが、その実を始め、草全体にサポニンという毒が含まれている。
君:絶対に食べちゃいけないのよね。
私:ああ、いけない。
君:サポニンって何?
私:石鹸の事をソープという。これが語源。つまりは界面活性剤。キーワードは半脂半溶。
君:半脂半溶がどうして毒なの。
私:サポニンにも沢山の種類があるが、水酸基部分を持つので水に溶け、つまりは消化管から吸収され、非水酸基部分を持つので脂質に溶け込む。つまりは細胞膜を破壊する。絶対に食べないでください。石鹸はかじると毒です。何もかも自然が良いという考えは間違いです。以下の動画が証拠。

君:食べていいのは浦島太郎が釣ってきたお魚だけ。ほほほ

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