大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

やどりぎ飛騨方言

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私:ヤドリギ(宿生木・宿り木・宿木・寄生木)という言葉は多義語なので少し困ってしまうが、僕は飛騨の出身というよりは寧ろカラオケ派なので、つい歌の文句を思い浮かべてしまう。
君:源氏とか、古典のテーマでもあるわよ。今日は植物学のお話ね。
私:うん。これにも広義と狭義がある。広義は他の植物に寄生、または半寄生しする植物の総称で、ヤドリギ、ツクバネなど。狭義は日本に自生する Viscum album subsp. coloratum の標準和名。
君:今日は何のお話?
私:標準和名でいこう。
君:いいわ。
私:ヤドリギ宿生木はビャクダン目 Santalales、ビャクダン科 Santalaceae、ヤドリギ属 Viscum、この中のヤドリギ V. album という種で常緑小低木。旧字は、やどりき。英名は mistletoe。熱帯から温帯にかけて自生する。異名としては、ほい、ほや、ほよ、とびづた。漢名は。季語は。飛騨方言は、ほや。
https://www.hana300.com/yadori.html

君:なあんだ、飛騨方言はヤドリギの異名、つまり古語ね。
私:ほうや。
君:それって飛騨方言。はいそうです、の意味ね。
私:ほや。短呼化です。
君:ふざけないでよ。
私:失礼。ヤドリギ宿生木の古名は、ほや寄生。ほよ、ともいう。それ以上の事はわからない。飛州志には、ホヤ団子という言葉の紹介があり 飢饉の時は実を団子にして食す、という。
君:なるほどね。方言量は?
私:ざっと百だな。その中でもホヤという音韻そのものが最大派閥で、その関連音韻ともなると、たちまちに30-40になる。ひゅー、ひよ、とか。次の多いのがカラスが接頭語につくもの。
君:ほほほ、なぜカラスかは説明が不要ね。
私:そう。他にはテングとか、タカとか、いろんな方言があるね。
君:書き出したらきりがないのね。
私:はい、ありません。
君:ホヤという方言は全国共通方言よね。
私:勿論。全国の言葉だったが、江戸語および明治からの近代語でヤドリギ、つまりは東京語という側面があるんじゃないかな。真偽のほどは定かならず。
君:ヤドリギは全国でみられるのよね。永遠の命の象徴、クリスマスの草木でもあるし。花言葉を知ってる?
私:いや、考えたこともないな。
君:困難に打ち勝つ・忍耐よ。夫なしでは生きていけないし、我儘な夫と苦楽を共にする妻というところかしらね。ほほほ

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