大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

やまぼうし飛騨方言

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私:ヤマボウシ山法師はミズキ科ミズキ属ヤマボウシ亜属の落葉高木。学名は Cornus kousa Buerger ex Hance subsp. kousa。英名は Japanese Flowering Dogwood。古来から本州、九州、四国の山地に自生する。庭木の他、下駄、櫛、ろくろ細工、農具の柄。異名としては、やまぐわ、いつき、からぐわ、のぐわ。慣用漢名は四照花。季語は晩夏。飛騨方言は、やまぶし("くぐのの唄と祭ばやし"・昭和61年刊行)。
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君:ヤマボウシの名の由来は?
私:花の形から。正しくは総苞片。頭状の花序を法師(僧兵)の坊主頭に、花びらに見える白い総苞片を白い頭巾に見立てたもの。
君:晩夏の花というわけね。複合名詞ね。和語+ほふし(仏語)。
私:ほふし、は既に日本書紀に記載がある。仏教伝来の言葉なので、やまほふし、は上代語だね。
君:異名の、いつき、が意味不明ね。
私:それはとてもいい質問だ。方言学のお話になるが、山法師の方言量はざっと百ほど。しかも、いつき、は最大派閥で全国共通方言。京都も含まれる。但し文献には出てこない。つまりは上代に既に失われた中央の言葉。やまほふし、よりも古いという事が推察される。
君:なるほど歴史的観点からみたソシュール学説ね。
私:その通り。言葉の成り立ちは意外に簡単な理論で説明が可能。ソシュール言語学は偉大だ。
君:やまぐわ、からぐわ、のぐわ、については書くまでもないわね。
私:うん。はっきりしている事と言えば、お百姓さんが考えた言葉。庭木からきた言葉じゃないね。
君:そりゃそうよね。四照花というのも面白い言い方よね。
私:四葉のクローバーが自然界に存在しないように、四葉の山法師は存在しない。花弁の数はフィボナッチ数列に従う。つまり 3、5、8、13、21枚。総苞片の数はさにあらず。上代の日本には数学という学問は無かった。ぷっ
君:飛騨方言やまぶし、との情報発信だけれど、正確じゃないでしょ。
私:その通りです。厳密には僕の出身たる久々野町の方言です。各種の方言資料には出てこない。法師を武士と聞き間違えた結果です。誤れる回帰ってやつ。
君:これも議論の余地はないわね。ほほほ

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