大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 伝説

ちんまが池伝説・杣ヶ池伝説

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飛騨の民話については多くの出版、ネット情報がありますが、杣ヶ池・ちんまが池伝説についてお話しましょう。両池は北アルプスの日和田高原にある小さな池です。天の川を挟んで織姫と彦星があるように、R463(飛騨御岳しらかば街道)を挟んで隣接しているといってもよい両池です。ちんまが池は残念ながら現在では池では無く、湿原です。両池にまつわる伝説とは・・・

杣ヶ池の読みは、そまがいけ、です。そま、とは、木こりさんの意味です。片方のちんまが池とは、ちん、という女性の名前に由来します。昔風に言うと別名は・・・・、おちん、でしょうか。きわどい名前です。最近では名古屋の長生きばあさん、きんさん・ぎんさん、ですが、きん様、が改まった言い方でしょうが、日本語の発音が不十分な幼児は彼女を、〜たま、と言うかも知れません。

コホン、話を飛騨方言に戻しましょう。ちんま、とは、ちんさま、が詰まった飛騨方言の言い回しです。例えば、はなこさん、は、はなこま、よしえさん、は、よしえま、です。女子に用いるのが一般的でしょう。

そして、男性の敬称は、〜さ、ですね。さしち、なら、さしちさ、ですが、小林一茶を、いっささ、とは言わないでしょうね。また、お寺様を、おてらま、と言う事も無いでしょうね。ただし、おてらさあ、などと言っても飛騨方言のセンスにはあっています。

杣が池は貧しい木こり小三郎の事です。ちんまが池はおちんの事です。おちんは実はちんまが池にすむ大蛇の娘、小三郎に恋し、人に化けめでたく結婚。小三郎が仕事に出かけるや遊び心で岩魚に化け、小三郎が小川で冷やしていたお弁当箱の中に潜り込みます。小三郎はそうとは知らず岩魚を食べてしまいます。たちまちに大蛇の呪いが生じ、小三郎自身が大蛇になってしまい、周りの小川の水を飲み尽くし、ちんまが池の傍に杣が池を作り、池の主になりました。以後、ちんまが池は段々と枯れてきて、池ではなくなりましたとさ。しゃみしゃっきり

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