大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 伝説

かまいたち

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かまいたち、という言葉は知らない方も多いのでないでしょうか。 俳句の季語になっているとすれば晩秋か冬でしょうね。 激しい運動をしていると突然に手や足の一部にスパッと小さな切り傷 が出来て、出血するのです。ところが不思議と痛みが無く、いつ怪我したのかも 覚えが無い、これが、かまいたち・鎌鼬、です。

寒冷の地方に多いのでしょう、あれこれ経験談のようなネット情報が得られます。 筆者もわずらっています。 小学生の時、飛び上がった瞬間に足の裏に出来たのでした。 共通語・飛騨方言ともに、かまいたち、です。 飛騨方言アクセントは、かま▼○、いたち○●●、なれど、かまいたち○●▼○○、です。

わざわざお書きしますのも、ネット情報によりますと岐阜県には、かまいたちの伝説があるとか。 三匹のいたちが、人をころばせ、切りつけ、そこへさっと薬を塗る、という役割分担をするそうです。 なんとも早、無邪気なこころあたたまる伝説ですが。

以上を前置きとしましょう。医学の教科書には何と書いてあるのでしょう。 また研究社和英辞典をみましたら何と、 weasel's slash、つまり、いたちの鎌。 この和製英語をキーワードに世界の医学文献をただ今、ネット検索したらヒットゼロでした。 かまいたち、は何故できるのか、という疑問に対しても、 風が吹いて真空状態が生ずるため、というようなネット記事が多いのですが、 真っ赤なウソという事でしょう。 その点、三匹のいたちの役割分担説は無邪気であり、笑えます。

さて疲労骨折という医学用語があります。 まさかというような状況で、まさかの骨折があるのが人間です。 皮膚とて例外ではありません。 ランゲルの皮膚割線といって、 人間の皮膚には割れやすい方向があり、外科のお医者様はキチンと それに沿ってメスを入れて手術をなさるのです。 つまりは三匹のいたちは名外科医という所ですね、ふふふ。

寒い時期に多いのは皮膚が縮こまって割れやすい、という事でしょうか。 以上、身を切られるような寒い季節のお話でした。おあとがよろしいようで。

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