飛騨方言では、しなくてはならない、という意味で、せんならん、とも、しんならん、とも言います。
筆者自身は、必ず、せんならん、を用いますが、最近偶然にも、ウエブ検索で、しんならん、
がヒットしました。思わず、そういえばこのように飛騨方言を話す方もいるじゃないか、とつぶやいてしまった次第です。
飛騨出身の私ですら、方言サイトを運営している私ですら、つい見逃していた、しんならん、という言葉ですので、
珍しい言葉には違いないと直感していました。
そして暇な日曜日、気ままにネット検索した結果をお示ししましょう。
グーグルで一単語検索すると何件ヒットするかを調査した結果です。
やはり結果は直感した通りでした。
グーグルで一単語検索のヒット数 時期 2005.10.1 17:00-17:05
サ変動詞未然形・せ+否定・ぬ
せねばならぬ 105,000
せねばならん 77,800
せなならん 13,100
せならん 197
せならぬ 145(*)
せんなならぬ 0
せんなならん 245
せんならん 12,200
せんにゃならぬ 1
せんにゃならん 395
せんにゃらん 15
せにゃならぬ 696
せにゃならん 85,700
せにゃらん 610
サ変動詞未然形・し+否定・ぬ
しねばならぬ 62
しねばならん 156
しなならん 678
しならん 526
しならぬ 713(*)
しんなならぬ 0
しんなならん 1
しんならん 238
しんにゃならぬ 0
しんにゃならん 0
しんにゃらん 0
しにゃならぬ 15
しにゃならん 579
しにゃらん 7
しにゃらぬ 0
上記の結果からいろいろと結論が見えてまいります。勿論、
共通語の言い回し、せねばならぬ、せねばならん、せにゃならん、の三者か断トツに多いのは
共通語ならではの事、驚く事ではないでしょう。
筆者にとっての最大の収穫は、やはり何と言っても、
サ変動詞未然形・し+否定・ぬ、の接続、は★実にまれな言い方であるという事です。
しかも驚く事、私が言いたい事はその事のみではありません。
これらネット文字情報を読むと、★実は発信は全国にまたがっています。
ひとり飛騨方言のみがサ変動詞未然形・し+否定・ぬ、を用いているのではない、という結論です。
また、その中にはブログあり、方言サイトあり、個人サイトあり、さまざまでした。
つまりは、この言い回しは地方によっては方言として多くの方が使用する言葉であっても ( = 方言サイト )、
★実は個人の言い回し、個人の言い癖とでも呼ぶべき言い回し ( = ブログ、個人サイト )
であろうというのが筆者なりの見解です。
以上を踏まえて飛騨方言について結論しますと、やはり飛騨他方では、せんならん、を
話す方が多数であろうと考えます。そして当地方では一部の方が、サ変動詞未然形・し+否定・ぬ、
をお使いです。
つまりは、飛騨地方は、どちらかというと"せんならん"と記載せんならん地方。しゃみしゃっきり。
(*)一部、仏ならぬ我が身と同じ言い回し、
つまり、〜でない、という別の意味の情報が含まれていますので、ご注意あれ。