大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

北米の不思議な言語境界線

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(岐阜県)方言地図に関連したトピックスですが、 カナダにおいては英語・フランス語の二ヶ国語が公用語ですね。 canadanet.or.jp/about/french.shtmlフランス語とアイデンティティ:活力ある存在感 というカナダ大使館の読み物などがありました。 一方では隣国アメリカは人種のるつぼの国ですから話されていない言語はない、 といってもいいかもしれませんが、こちらは英語のみが公用語。

さてニューヨーク州のバッファローという国境の町にかつて住んでいました。 お隣カナダのオンタリオ州は大半が英語を話す地域、 国境といってもパスポートは不要、運転免許証をちらっと見せれば通してくれます。 犬と散歩している時などは、あれっ忘れた、といえば通してくれるでしょう。 要は完全にフリーパスです。オンタリオ州に住みバッファローに通勤する人もいれば、 血縁が両国にまたがるなどよくある話、つまりは米国とカナダ英語圏は血を分けた兄弟も同然、 国境など在って無いも同然です。 文化圏すら同一といえましょう。プロ野球大リーグは米加にまたがるというわけで バッファロー市民の大半は隣(といっても 150km 離れた)町の最強カナダトロントブルージェイズのファンでしょう。

ところで冒頭に戻りますが、カナダでもケベック州だけは大半が仏語を話し、国内に明らかな言語境界線があります。 バッファローを発ちモントリオールあるいは州都ケベックを車で旅行しますとその事実に驚かされます。 国道を走っていて州境から突然に道路標識など全ての文字が変わります。 勿論、州境あたりは人の住まぬ広漠たる平野、あるいは大渓谷が在るわけでなし、 例えばほんの数キロ離れた隣村どうしなのです。

別稿の親ではなく地域が教える言語に関連した記事を書きましたが、ケベック州からオンタリオ州に嫁ぐ方もありましょう。 がしかし生まれた子供に母親以外の皆がよってたかって英語のシャワーを浴びせかけ、 結局は子供は母親の仏語を話そうとはせず、 またオンタリオ州からケベック州に嫁ぐ場合にして然り。

このような国境をも無視する言語境界線の話ならよくわかるでしょう。 連続線です。帯ではありません。国はそれを州境にしました。 国境が英語圏を二分しています。がしかし両国人は国境を無視して生活しています。 それにしても日本の方言分布地図の細かすぎる事、 岐阜県内でも隣接する市町村単位で言葉が違うなんてことが本当にあるんですか、県内在住の皆様。

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