大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

こっともない(=醜い)

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私:死語に近いと思うが飛騨の俚言。一年前に記事を書いていた。ここ
君:それで、語源は見つかったのね。
私:ああ、いきなり結論だが、こうたう・こうだう公道、が語源だろうね。確信した。
君:ほほほ、という事は古語辞典の検索ね。
私:そうさ。辞書。ちゃんと書いてある。ただしヒントがあって、これに気づく事が肝要。これも結論だが、富山方言に「こんとくない」という同意語があったんだ。つまりは飛騨俚言という以前に、飛騨・富山の共通音韻たる「コ〇ト」がある事に気づく事が肝要。続いては角川古語大辞典で、カ行といっても「こ」からスタートして虱潰しに内省するんだ。
君:現代語としては道路交通法で用いられる法律用語だわね。
私:では結論。こうたう・こうだう公道とは・・・《名 》(形動) (「とう」は「道」の漢音) 礼儀作法がきちんとしていること。手堅く質素なこと。地味であること。また、そのさま。堅実。実直。倹約。こうと。※日葡辞書(1603‐04)「Cotona(コウタウナ) ヒト」※俳諧・犬子集(1633)一五「数寄屋にねんをいるるこしはり 当代は皆公道に成て来て〈一正〉」[補注]「こうどう(公道)@」の意から「礼儀作法のきまりを守ること」〔日葡辞書〕をいうようになり、さらに「地味で手堅いさま」の意を表わすようになった。…どんなもんだい、中世の畿内方言だった。信長公記にも出てくる。
君:つまり中央では用いられなくなり、富山方言で撥音便となり、飛騨方言で促音便となったという事ね。
私:要はたったそれだけの事。上記の一年前の私の記事は素人記事もいいところだ。
君:要は、基本に忠実に、という事ね。
私:世間様は死語の語源を見つけて喜んでいる僕をお笑いになるだろう。
君:でも、学問は自分の為よ。
私:正にその通り。何れ死んでいく僕が死語の語源を発見したところで世の中は変わらない。でも満足。偉大な事実を発見した。今夜は頭が冴えていた。かかった時間は五分だった。
君:あら、それは良かったわね。ほほほ

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