別稿の通りですが、飛騨を代表する郷土料理にほう(お)ば味噌があります。ただ今、ヤフーでほおば味噌で検索した結果 約781,000件 - 0.61秒でした。ほんとですよ。書くまでも無いのですが大半が飛騨からの発信でしょう。
さて、佐七さんちでも勿論、この言葉を使いますがまた別の言葉、ねくば味噌、もよく用います。ねぎの事を飛騨方言で、ねぶか、とも、ねくば、とも言うのです。郷土史の本を少し当たってみましたが、やはりねくばの言葉が記載されておりました。ところがなんとも早、ねくば、で検索してもネット情報は皆無です。この記事が世界初のネット情報となりました。めでたし、めでたし。
何故ゆえに佐七さんちではほおば味噌ではなくて、ねくば味噌なのかと申しますと、実はアルミホイールの方が便利なので最近は朴葉は用いないのです。前者のほうが火に強いし、収納スペースも要らないし、それほど高いものでもないし、何となく衛生的だし、という事でいつしか味噌に入れる具、つまりはきざんだねぎの葉・ねくば、をしてねくば味噌というようになってしまいました。
今の時代、炭も七輪も使わなくなりました。また、ほおばをよしんばガスコンロに乗せてもあっけなく燃えてしまいます。ですから炭が家から消えた事がほおばも不必要になってしまった一番の理由でしょうか。
かくして我が家では死語となったほおば味噌よ、あわれ。まあ、ほおば味噌でもいいし、アルミホイール味噌でもいいじゃないですか。要は料理なのですから中身で勝負です。とにかく昔から我が家はねくば味噌。正月に帰省したらお袋が作ってくれるねくば味噌を食べまくってきましょう。 |