この格言は共通語では、頭かくして尻隠さず、といいます。
一部の悪事や欠点を隠して、全体を隠したつもりでいるおろかさを言い表しているわけです。
さて、サ行動詞がイ音便化する事が飛騨方言はじめ一部地方の方言の特徴と言われます。
かくして(シャレのつもり、気づいてね。)、あたまかくいて・・がちょっとした飛騨方言格言となる次第です。
勿論、文語・かくさず、は文語です。飛騨方言の言い回しではありません。
飛騨方言では、隠していない、と言う意味で、かくいとらん、といいます。
- (1)まず、かくす、もサ行動詞ですから、隠して、は、かくいて、とイ音便化します。
かくして(また出たシャレ)、かくしておらぬ、は、かくいておらぬ、とイ音便化します。
- (2)ぬ、の終動詞を、ん、に修正して、かくいておらん、とし現代文にします。
- (3)また飛騨方言では、〜ておる、は、〜とる、そして、〜ておらん、は、〜とらん、の如く、語を詰めますので、
かくして(またまた出たシャレ)、かくしておらぬ、は、飛騨方言では、かくいとらん、になるのです。
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