大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

よき(斧)

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私:飛騨方言よき、の語源は動カ上二・よく「避」の連用形よき、従って全国共通方言であり然もアクセントは平板、という事を語源コーナーに書いた。
君:ここでのテーマはその音韻変化、つまりは方言量という事を論じたいのね。
私:その通りだ。飛騨方言では、ヨキ・ヨーキ、つまりは方言量は2。論拠は土田吉左衛門・飛騨のことば。これは米国人にとっては幾つの方言量になるか、わかるよね。
君:方言エンタメサイトの面目躍如ね。米国人には地図とチーズの区別が判らない。同じ音韻に聞こえてしまう。ヨキ・ヨーキも然り。つまりは米国人にとっては方言量は1よ。
私:ははは、その通り。前置きはさておき、全国の方言量をみよう。地方は割愛させていただく。ヨキ・ヨッ・ユキ・ユキバ・ユキバー・ユシバー・ユーチ・イキ・ヨヒ・ヨク・ユーキ・ユツィ。つまり12。おかしいと思わないかい。
君:ほほほ、わかるわよ。貴方の今までの持論が崩れてしまったのね。
私:そう。崩れた。
君:あなたの持論は・・例えばヤマ山には方言が無く、マツ松にして然り、つまりは二拍以下の単語には方言が無いのが普通・・という事だったわね。
私:そうなんだよ。なぜ松と山か、ふふっ、要は苗字だな。ところでヨキの方言量が12というのは多すぎるように感ずる。
君:ほほほ、例の貴方の屁理屈を当てはめれば説明がつく、という事じゃないのかしら。
私:屁理屈?なんだい、それ?
君:5音節でもトランペットに方言は無いわ。
私:なるほど、新語であれば方言は無い。ヤマ・マツ・ヨキ、等々、上古の言葉だ。和語は全体としては方言量は少ないが、なかには多いものもある、という理屈だな。
君:いいえ、屁理屈よ。
私:ヨキの語源は和語動詞よく「避」、古い言葉には違いないが、実は、ユキ・ユキバ・ユキバー・ユシバー・ユーチ・ユーキ・ユツィ、これらは琉球及び南西諸島の音韻だ。つまりは和語動詞よく「避」は日琉祖語つまりは日本でも最古の動詞であり、沖縄あたりではヨからユへの音韻変化があった。その一方、本土方言では全て語頭の音韻はヨ。やま・かわ、はスタートが体言で今も体言。つまりは品詞の転成が無い。その一方、ヨキは動詞連用形の名詞への転成だ。つまりは転成品詞は方言量が多いんだ。ヤッホー、今日も方言の神様と握手が出来た!
君:大収穫ね。他にも音韻の対応が見つかるといいわね。
私:ヨク調べておこう。
君:よきにとりはからへよかし。ほほほ

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