大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

連濁2

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私:のべつ幕なしに書いているので、何れ全篇に渡り再構築が必要だろう。連濁の成因の仮説について新知見を得た。沖森卓也「はじめて読む日本語の歴史」ベレ出版、の内容を一部ご紹介しよう。連濁の仕組み、有声音に挟み撃ちされた無声音がその理由かと思い込んでいたが、沖森先生の同書を読んで目にうろこだった。
君:簡単にお願いね。
私:勿論だ。根本的な理由は日本語がアルタイ語族に属する言語だから、という事。
君:どうして?
私:日本語の頭音法則に、母音だけの音節は語頭以外には立たない、ラ行音及び濁音は語の初めに立たない、という大原則があり、これは実はアルタイ語族の特徴。朝鮮語も同じ。
君:青田・青空はあっても田青・空青は不自然ね。尻取りゲームでは「ら」で終わる言葉で攻めるのが定石。稲荷ずし、はあるけれど、寿司屋を「ずしや」とは言わない。明らかにおかしいわね。
私:そう。それが連濁の成因のメカニズム。連濁が生ずるのは日本語がアルタイ語族であり、語頭は濁音ではなく、清音が自然という事だ。この事を突き詰めて考えてみてごらん。
君:つまり連濁が起きるのは複合語の後項部分だからという事で、有声音に挟み撃ちされた無声音、と言う説は眉唾物ね。
私:そう。アルタイ語で複合語という事は、二つの名詞が一体化したものである事を示す音韻学的なテクニック、というわけだ。「はしずし」という音韻を聞いただけで複合語である事がわかる。つまりはひとつの意味しかなく橋寿司という屋号で決まりだ。その一方、「はしすしおちゃ」は「はし」「すし」「おちゃ」という三つの言葉の連続であり、つまり箸・寿司・お茶。連濁はつまり言語学的な問題であって、医学生理学的に理解してはいけない現象。有声音・無声音で考えるのはナンセンスそのもの。
君:それにあれこれ、例外を言いだしてはいけないのよね。例えば寿司ネタなら「なまたこ」とか。ほほほ

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