大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

連濁の仕組み、有声音に挟み撃ちされた無声音

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連濁については、今まで幾つか書いてきました。

飛騨地名考・うれ
こもどうふ、こもとうふ
てむずり・てむづり
てきないの語源・佐七の珍説
ライマンの法則 Benjamin Smith Lyman
連濁
かぢはしとたけばし 飛騨方言の連濁
飛騨方言における完了・過去の助動詞・た、の濁音則
飛騨方言における非語頭カ行子音の濁音化
飛騨方言における語頭タ行音の濁音化
飛騨方言に於ける最近の連濁省略傾向

実は、上記のような些末な事ではなく、日本語に連濁が生ずる根本的な仕組みというものがあって、・・・有声音に挟み撃ちされた無声音は有声音化する・・・というルールによるのが連濁という事のようです(「日本語の謎を解く」橋本陽介、新潮選書 pp.40)。より分かりやすくお書きしますと三つのモーラを発音するのに有声音・無声音・有声音と目まぐるしく変化するのは話しにくく、三つの音を全て有声音で統一して話したほうが発音が楽だという事、つまりは声帯が目まぐるしく変化しなくて済むから、というのが理由として最有力の説明だそうで。

そもそもが有声音・無声音とは何か、については以下をご参考までに。無声音とは声帯の振動を伴わないで発する音で、子音の[p][t][k][s][ts]などで、これら以外が全て有声音で、母音も有声音です。

★【上級者向け】日本語の発音の学習3「有声音・無声音・調音点・調音法について。

★子音B有声音と無声音


以上が前置きです。本題ですが、簡単にひと言。若しかして、連濁の逆もまた真なり、という事でしょうかね。つまりは無声音に挟み撃ちされた有声音は無声音化しやすいのじゃないでしょうか。既にビジネスになっているようで、例えばここ。今日も文章が書けました。感謝。

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