大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

飛騨方言における語頭タ行音の濁音化

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佐七:お久しぶりです。たまにはお話ししたくてご登場願いました。たのむさ。
典江:・・タイトルが少しごつい感じですが。
佐七:ははは、ひっかかりましたね、わざとです。楽しみながらの飛騨方言の勉強でなくっちゃ。飛騨方言では、平地の事を、だいら、と言うんですよ。使いますか?
典江:・・たいら、ではなくて、だいら、ですか。うーん、使いませんね。
佐七:それはあなたが飛騨人のなかでも文明人・つまりは町の衆だからです。でもね、飛騨は山の国なんですよ、ふふふ。
典江:・・つまりは、山のダイラですね。市役所の前に広場があってもダイラとは言いませんね。
佐七:おおっ、いいぞ。つまり山腹にポッカリと平地があるとだいら、なんですよ。城山公園の広場は、だいら、と言いませんか?
典江:言いません。
佐七:それじゃ、中山中のグラウンドは?
典江:言いません。
佐七:どうも町の衆は、ダイラ、といわないようですね。でも私の父・大正生まれ、は言うし、土田吉左衛門辞書にも、ダイラ、の記載があるのです。私は・・使おうと思えば使えるでしょうね。飛騨方言のセンスにあっているのです。ところで上野平・うわのだいら、は懐かしくありませんか。
典江:ええ!
佐七:ねえ、校内マラソンで15キロも走らされたでしょ。私ゃ陸上の1500でも心臓が破裂しそうだったのに、その十倍の距離ですものね。
典江:なるほど、上野平・うわのだいら、だけは誰でも使いますね。
佐七:ふふふ、やったぞ、またひっかかった。実はこれは日本語です。飛騨方言ではありません。松本平(まつもとだいら)、という有名な言葉に代表されるごとく、日本語の表現そのものなのですよ。もっとも、うわの+たいら、が、ウワノダイラ、になったのですから、ライマンの連濁の法則によるのです。あなたは、飛騨方言にかつてあった言葉、ダイラ、をご存知ない。飛騨方言談義でも最も面白いのが・・・・・・飛騨方言の古語、という事でしょうね。
典江:飛騨方言って、話さんようになってまって、だしかんさ。そしゃ、せめて知っとる言葉だけでも使わんとえな。
佐七:ついでですが、平安時代は飛騨は平家だったんですよ。飛騨平家です。ところが源氏の木曽義仲に滅ぼされてまったんやさ。
典江:飛騨が・・もとは平家やと。・・うれしい。義仲嫌い!

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