表題は、例えば、かかあ->かがあ、柿->かぎ、蝋燭->ろうそぐ、竹->たげ、それ以降->それいご、
等々の言い回しです。連濁は含まれません。
さて飛騨方言には、かきくけこ、の五つのカ行音しか存在しないのですが、
各地の方言、あるいはそもそも日本語が音韻史的には複雑であるためカ行子音という
文法語が唱えられるのでしょうか。
つまり、カ行母音なる概念も飛騨方言では無意味です。
カ行の濁音化は東北方言の特徴であり、しかもカ行はガ行に必ずなるという規則的な濁音化の
ようですが、飛騨方言の特徴は(1)濁音化する語もしない語もあり、(2)また同じ語でも揺らぎがあり、
(3)また時代と共にすたれつつある、(4)決して鼻濁音にならない、以上の四点でしょう。飛騨方言では非語頭カ行子音は決して鼻濁音にはなりません。
濁音の多い飛騨方言では鼻濁音と濁音の別が重要な意味を持ちます。
まんがががががをご参考までに。
小学館編方言の地図帳によりますと、東北地方一帯の外には石川・富山・飛騨の地域が非語頭カ行子音の濁音化地域です。
ついでですから例文を。(えび坂を登りつめた所にある(佐七の)妻の墓)坂の高のかかあの墓。
読みは、さがの○●●たがの▼○○かがあの○●●▼はが○▼。
グスン、妻に先立たれる男ってのはホットに(=飛騨方言・本当に)つらいんやさなあ。
|