今回の変な言い回しは鼻濁音にまつわる言い回しです。
別稿にならい、鼻濁音を○印で示し、そうでない濁音を×印で示すものとします。
さて前知識として以下の五点の理解がまず必要です。
鼻濁音は、音節内、あるいは単語内に用いられる。例 小○がっこう○がある。
鼻濁音は音節はじめ、及び単語はじめに用いられることは無い。 例 ×がっこうの×がいかん○が、×がっかりだ。
上記の鼻濁音の規則はそのまま飛騨方言に当てはまる。
さらには飛騨方言では、活用品詞でカ行の音が濁音化しやすいが鼻濁音になる事はない。例 そう×がい。( = そうかい )
さらには飛騨方言では、名詞もカ行の音が濁音化しやすいが鼻濁音になる事はない。 例 な×がのええ夫婦。( = 仲の良い夫婦 )
いつものようにいきなり、解答ですが、実は二つあります。
(1)まん○が×が×が×が×が = 漫画家か画家、つまり、漫画家あるいは画家、はてどちらかなという意味
(2)まん○が×が○が×が×が = 漫画家が画家、つまり、漫画家さんが実は画家さんだったという意味
漫画家を、まんがが、といったり、画家を、がが、という事には抵抗を感ずる方も勿論お見えでしょう。
老人の方などはそのように発音されましょう。若い世代ではそのようには発音されないかも知れません。
さて、飛騨方言では並立助詞・か、が濁音化することはどなたも異論がないと思います。
例えば AかBか、という言葉ですが、飛騨方言では、 AがBが、です。
また飛騨方言では共通語と同じく鼻濁音の格助詞・が、が用いられるという事についても異論がないと思います。
つまりは解答(1)は、並立助詞・か、の濁音化であり、解答(2)は共通語と同じ鼻濁音の格助詞・が、です。
その他の、が、の音は、か、が濁音化したものです。
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