大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 

かたかご(=かたくり)

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私:表題の通りだが、どう思う。
君:ほほほ、ちょいと訛っているのでは、というお話ではなくて、カタクリの古名ね。
私:そう。萬葉集4143。常々思っていた事だが、八丈方言と八重島方言だけが万葉方言なのではない。全国の方言は全て万葉方言なんだ。飛騨方言にして然り。
君:でも、飛騨方言「かたかご」は既に死語じゃないかしら。
私:ふふふ、実は生きている。どこに生きていると思う?
君:飛騨方言の話し言葉としては消滅したも同然の「かたかご」。つまりは、飛騨方言一般名詞「かたかご」は消滅したとなると・・・ほほほ、固有名詞に生きているのね。
私:その通り。ヒントはJR駅。
君:JR高山線に「かたかご」なんて駅は無いわよ。
私:その通り。これを言うと答えを教えたも同然、ヒントは高山市久々野町・JR高山線の渚駅。
君:・・・
私:JR渚駅の界隈の大字は、かたかご片籠。片籠は後世の当て字だね。萬葉集では堅香子だ。つまりは奈良時代の言葉が高山市久々野町渚の地名に残っていた。蛇足ながら片籠地区はカタクリの自生地で、僕のようなロマンチストにはたまらない場所。
物部(もののふ、武士)の八十(女偏に感)嬬(をとめ)らが汲み亂(まが)ふ寺井(てらゐ)の上の堅香子の花

君:句意は?
私:沢山のお嬢さん達が寺の井戸で水汲みの光景、傍にはカタクリが咲き乱れている、ああ、若い女性達っていいね。あの笑い声、もうたまんない。(何を隠そう、左七はババアは嫌いだ。)
君:馬鹿っ!

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