大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 語源

こわかす・こわらかす(=壊す)

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私:方言成立の要因としては、話しやすい方向へ、という方言学上の大テーゼがある。例えば、モーラの脱落、母音の脱落、子音の脱落、連母音から長母音へ、短呼化、等々、書き出せば切りがないが、共通語「こわす」を飛騨方言では表題のように言う。 君:つまり方言生成機序に逆行しているのね。 私:一見、そのように見えるね。ところで古語では動サ四「こはす」、また形ク「こはし」についても書かずもがな。 君:それで。 私:実は動ラ四「こはる」も存在する。これは現代語「こわばる」に通じると思うけれど、「こはし」と同根だね。「こはる」があったから「こわらかす」が生まれたのではと考えたいね。 君:つまりハ行転呼ね。 私:そう、中世辺りたが、「こぅある」から「こぅあらかす」になったのでは、という事。 君:その一方で「「こぅあらかす」から「こわかす」はモーラの脱落でうまく説明できそうね。全国の方言かしら。 私:これが小学館・日本方言大辞典にも記載が皆無に近く、つまりは大発見。 君:大した発見じゃないわよ。ほほほ

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