大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
〜まる(=〜まくる、〜まわる) |
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私:書斎にこもってこのサイトの記事を書く事が多いので、家内から、いったいそんなに書く事があるのか、とよく聞かれる。 君:実際はどうなの。 私:連想ゲームのような感じだね。先ほどはアクセント学の場所に「〜まる(=〜まわる)」の記事を書いている途中に、そういえば飛騨方言では、「〜まくる」も「〜まる」というんだった、という事に気づいた。 君:同音異義語と言えば一つの単語の話題が多いけれど、今夜のお話は接尾語のお話のようね。 私:正にその通り。 君:例は? 私:例えば、「〜まる・〜まくる」の群の飛騨方言の動詞は、言いまる、打ちまる、追いまる、推しまる、拭きまる。以上かな。五つほどの複合動詞だ。 君:では、「〜まる・〜まわる」の群の飛騨方言の動詞は? 私:うん。歩きまる、動きまる、駆けまる、かけずりまる、飛びまる、逃げまる、のたうちまる、這いまる、はいずりまる、走りまる、跳ねまる、吠えまる、持ちまる。こんなところだろう。 君:飛騨方言はいったい「〜まくる」の意味なのか、「〜まわる」の意味なのかわかりにくいという事ね。 私:そうなんだよ。極論としては、どちらでもよい、意味に大きな違いはない、という事。飛騨方言では「走りまる」と言うが、これは「走りまくる」の意味でもいいし、「走り回る」の意味でもいいね。 君:ほほほ、何をおっしゃるのかしら。厳密な意味としては、「まくる」と「まわる」では意味は異なるわね。 私:正にその通り。「まくる」は熱心に、一途に、ただひたすらに、執拗に、休みなく、激しく物事を行うさま。その一方、「まわる」は、あちこちへ、或いは同じ所を何回も、という意味。 君:当サイトの記事を十年以上も「書きまる(書きまくる)」左七君だけれど、かと思えば、サイト内をふらふらと「かけずりまって(=駆けずり回って)」いるのね。ほほほ |
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