大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
なんなんさま(=仏様) |
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私:飛騨方言で、なんなんさま、と言えば神仏、特に仏様の事を言うが、書かずもがな、これは全国共通方言だね。 君:それ以上に、語源は、なむあみだぶつ、で決まりね。 私:確かにそうだが、それの口語形で、なんまいだ、が直接の語源だろう。なんと角川古語大辞典にはナンマイダの記載が無い。ただし、同語は日国で東海道長膝栗毛の文例があった。近世語という事かな。中世、蓮如上人の時代の言葉の気もするけどね。 君:なんまいだぶ、ともいうわね。 私:小学館日本方言大辞典に詳しいが、実に多くの音韻に変化して各地の方言になっている。飛騨では幼児語のひとつに、まんまんあーん、なんてのがあるが、ご飯を感謝していただきましょう、という意味で、これも、なみあみだぶつ、から来ている可能性があると思う。およそ数十に及ぶ全国各地の方言だが、語頭が、な・ま、これらのどちらかという事は共通。尤も、土田吉左衛門・飛騨のことば、には、ののさま・のんの(さま)、の記載もあるので、飛騨では、語頭は、な・の・ま、の三種類という事になる。 君:仏壇だけじゃなく、神棚にも用いられるのじゃないかしら。 私:その通りだね。お寺でも、神社でも。 君:主に浄土宗(選択本願念仏集)、浄土真宗(教行信証)、天台宗(法華経)が南無阿弥陀仏だけれど、なんなんさま、となると幼児語に近く、宗派は問わないわね。ほほほ |
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