大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
おさん(=セキレイ) |
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私:飛騨方言には、おさん(=セキレイ)、というのがある。俚言と言ってもいいかな。厳密には、神奈川県三浦郡からも同語の方言情報がある。 君:語源に関しては安易な考えを述べないほうがいいわよ。孤立発生論が思い浮かべられるけれど。 私:その通りだが、やはり、一言を発信したい。語源は近世語の、おさん御三、から来ていると思う。 君:説明して頂戴ね。 私:うん。共通語たる言葉、おさん御三、は近世語だが、台所で働く下女の総称だ。おさんどん、とも言う。飛騨方言では、この言葉がよりによって空を飛ぶ鳥、セキレイ、の意味で使われるようになったのでは、という事。 君:根拠は? 私:飛騨の囃子言葉に、おさんだてこき尻振り女房、がある。 君:なるほど。セキレイは水辺に住み、絶えず長い尾を上下に振っているわね。 私:そう、その鳥の姿を尻振り女房ととらえたわけだ。おさんだてこき、は台所で働く下女がおめかしして、の意味。 君:セキレイは尻振り女房のようだけれど、おさん・・・、のフレーズは長すぎるので究極の短呼化という事で語頭の三モーラ・おさん、がセキレイの意味になったのでは、という理屈ね。ほほほ |
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