大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
おしょばん(=お相伴) |
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私:表題の通りだが、どう思う。 君:ほほほ、ちょいと訛っていますというお話ね。 私:そう。一見して音韻学的命題。5モーラという奇数音節を嫌って4モーラ、つまりは日本語の最小語条件(2モーラ)の二倍にしたという事。但し、ここは語源のコーナー。実は意味が違うんだ。さて、飛騨全体の慣習かどうかは定かではないが、大西村の伝統をお伝えしよう。真宗でいう所の報恩講と各ご家庭の年忌法要、この二つの儀式がごっちゃに呼ばれて、「ほんこさま」と言う。そこで出てくる言葉が「おしょばん」。 君:つまりは参列者にふるまわれるご馳走の事ね。共通語でも使うわ。 私:・・・社長のお供をおおせつかり、ご相伴に与らせていただきました・・・などというね。要は料亭で接待された、という事。これがまた、大西村では違った意味でつかわれていて、年忌法要の時に小さな白い丸餅を配る慣習がある。つまりは「おしょばん」は「お相伴の餅」の短呼化なんだ。 君:つまりは「おしょばん」とは餅の事ね。 私:その通り。然も参列者だけではなく、翌日以降に村の一軒ずつ、全戸に配って回るのが習わし。配り役はその家の子供。 君:お留守の家もあるでしょ。 私:その通り。とにかく、直接に手渡しする。例え何日かけても。これにはひとつの目的がある。 君:・・・ 私:おひねりだよ。「あら、ありがとう。子供なのにお手伝いとは、感心ね。」といって、ワンコインのチップを与えるのも慣習となっているんだ。 君:当然ながら、チップは子供のポケットね。 私:そう。小遣い銭の荒稼ぎというわけだ。親に、だいぶ儲かったよ・たまんない・ほんこさまは毎年やってくれ、と頼んだ事がある。 君:流石に無理な相談ね。ほほほ |
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