大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
おとご(=末っ子) |
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私:末っ子の事を飛騨方言で「おと・おとご」と言うが、語源は簡単だね。死語に近いだろう。全国各地の方言。 君:語源は古語名詞「おと弟・乙」そのものよ。 私:そうだね。和語のひとつ。萬葉集。兄弟姉妹の中で年少の者。反対語が「え兄」、ただし、こちらは方言としては残っていない。 君:語源としては和語に「おと」があり、接尾語「ご子」の派生語として「おとご」が生まれたのかしらね。 私:だろうね。重要な点は男女を意味する事。中世あたりまで。江戸語としては消滅、かわりに「おとうと」が生まれ、専ら男子で年少の者を示すようになった。以上、中央語の歴史。 君:実は「おとひと」から「おとうと」の引き音になったのよね。 私:そう。なかうど・仲人、くらうど蔵人、とか。但し、万葉の時代から音韻は「オト」。ところで狂言の言葉もあるね。方言とは関係ないが。 君:ふふっ、おとごぜ乙御前ね。末娘の敬称、というより、おたふく・おかめなど醜女全般。甲乙つけがたし、というけれど、乙には劣るという意味があるわね。 私:実は、おとる劣る、も「おと弟・乙」からきた動詞らしい。各種の語源辞典に記載がある。心情的には納得。蛇足ながら、をとこ、をとめ、をみな、をんな、これらは全て良い意味であり、全く別の言葉。「おと」は例外なく悪い意味で、卑罵語に近い。 君:「お」と「を」で大違いというわけね。古語に始まり古語に終わる方言千一夜。ほほほ |
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