大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

つーつー(=こおろぎ)

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私:コオロギの事を飛騨方言では、つーつー、と言う事がある。語源については書かずもがな。ヒントはオノマトペ。
君:つまりは虫の鳴き声ね。
私:そうなんだよ。コオロギの古語は、こほろぎ。ころろん・ころろん、と鳴くから来た名前だが、こほろぎ、の更に古名があって、つづれさせ綴刺(平安)。これもコオロギの鳴き方からきた古代のオノマトペ。つづれ(綴)、つまりは継ぎ合わせの布、これで裁縫せよ、つまりは冬支度をせよ、という意味だが、飛騨ではコオロギの鳴き方が、つーつー・つづりさせ、というように聞こえて方言として残っているという事。つーつー、は、つづりさせ、という単語の語頭のモーラの重畳語です。富山では、つづれさせ・ちょっとさせ、という。群馬県では、はりさせ・つづりさせ、という。
君:これらの言葉は平安時代からその地方で口承されてきた言葉という事よね。すごいわ。

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