大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

やけずり(=やけど火傷)

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私:やけど火傷の事を飛騨方言では、やけび、やきび、やけずり、などと言う。
君:語源が見つかったんでしょ。さっさとお書きなさいな。
私:はいはい。「やけずり」の語源は「やけつり焼攣」。つまりは火傷でひきつった皮膚という意味で生まれた言葉。洒落本・契情実之巻後編に出てくる。お読みになりたかったら早稲田大学へゴー。
君:要は近世語ね。
私:これがライマンの法則で、やけづり。更には四つ仮名問題 fricative にて、やけずり、になった。かくして飛騨方言の完成。年代としては近世語か近代語という事だろうね。
君:これって全国共通方言よね。
私:仰るとおり。小学館日本方言大辞典には「やけつり焼攣」の見出しでぎっしりと書かれている。但し、古語辞典には出てこない。江戸語辞典にもない。方言としてのみ生き残った言葉だね。小学館日本国語大辞典全20巻には記載があった。語源発見の端緒となったので感謝している。
君:小学館は日本方言大辞典の全内容を日本国語大辞典に織り込んだという意味ね。つまりは日国は実は方言辞典。 ほほほ

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