大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム |
すな(酸菜)・すなづけ(酸菜漬) |
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私:「すな(酸菜)」をキーワードにネット検索すると若干、ヒットする。岐阜・高山の伝統食「酢菜」を高品質化 うまみ増 血圧降下作用などある乳酸菌「高根株」開発。要約すると、飛騨の伝統食・すなづけ(酸菜漬)がバージョンアップ、県の食品科学研究所と高山市高根村観光開発公社は共同研究、開発培養液を使い、旨味成分のコハク酸や血圧を下げるGABAなどを多く含む酸菜を漬け込むことに成功。ここから優良な乳酸菌を取り出し「高根株」として特許出願、高品質な酸菜の量産が可能に。 君:なるほど、今後は飛騨の特産品として市場に出回るのね。ところで、すな(酸菜)の定義は? 私:飛州志にも飛騨の特産物として記載がある。従って江戸時代以前からの飛騨の漬け物。塩が貴重だった時代、塩を使わず発酵という手段で作った漬け物。近代ともなると塩は簡単に手に入るようになり、急速に廃れ、現代では高根町にのみ残る。量産化が問題であったが、新乳酸菌の発見によりめどが立ったという事。 君:血圧を気にせず食べられるわね。 私:要はそういう事。サラダ感覚といってもいいね。ところで高根の隣村・長野県開田村でも同様の漬け物があり、こちらは「すんき」と呼ばれている。蕎麦に乗せるスンキ蕎麦も有名。 君:飛騨と木曽、スナとスンキ、どちらが古いのかしら。 私:調べたが資料無し。誰もわからないだろう。飛州志に戻ろう。飛騨の酸菜漬は「古来、夫食(ぶじき)ノ一助タリ」の一説がある。 君:夫食とは? 私:ふじき、とも言う。江戸時代、飢饉の時に五穀や糠粃(こうひ、米のぬかとしいな)に代わって食べる、芋の茎などの草根木葉の類。夫食は全国各地の方言に残っている。尤も飛騨では死語。 君:天保や天明の飢饉ね。 私:ああ,勿論。飛騨国高山の人口推移、佐々木陽一郎 著。貧乏人の子沢山とは真説か?もご参考までに。 飛騨の高山では金持ちの方が貧乏人より子供が多かった。 君:私は大切に一人育てて素直な子だわよ。ほほほ |
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