大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 文法

補語

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私:国文法といっても受験で少しかじり、大学が文系でなければ生涯、再学習する事もないだろうが、方言に首を突っ込んでからは妙に気になって。という事で、今日の話題は補語。国文法の成書をいくつか斜め読みして輪郭が少しわかるようになった。
君:簡単に一言でお願いね。
私:補語はそもそもが英文法 complement の和訳。日本語に補語は無い。
君:はっきりとモノを言うわね。
私:英語では文型は sv svo svoc svc に分類でき、TOEIC の山中の山。 s v o の何れでもないのが c だから、日本語もこの論法で行けば補語とはなんぞや、というものが見えてくる。
君:主語でもなく、動詞でもなく、目的語でもない品詞・文節が補語とおっしゃりたいのね。
私:いや。v は動詞ではない。日本語ならば用言。つまりは動詞・形容詞・形容動詞が含まれる。形容詞とは、なんことはない、 be adjective の事。ただし、英語には形容動詞がないから、英文法で国文法の記載のしようがない。それでも日本語を学ぶ外国人の為に出来た言葉が補語、という事じゃないのかな。
君:国文法の補語の定義については諸説紛々と言ったところかしらね。
私:まさにその通り。大槻文法(大槻文彦、廣日本文典)の説明語・修飾語、山田文法(山田孝雄、日本文法論)の補充語の概念に相当する。寺村、鈴木、三上、時枝、等々も独自の概念を主張。そもそもが補語の存在を認めないのが橋本文法(橋本進吉)。また、補語の同義語としては連用修飾、状況語などがあるね。成書によっては、格表現のなかでも目的格以外を補語という、というような記載も見られる。
君:おっと、待って。目的語がまた曲者ね。我が道を行く、故郷を離れる、は、我が道にて・故郷から、と同じ。従って、学校文法では目的語・補語を区別せずに連用修飾語として一括するのよ。
私:結論だが、国文法はひとつではない。自由な発想により複数の文法が生まれる。
君:教育現場では無理ね。ほほほ

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