大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 文法

独立語とは

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私:飛騨方言を解釈するのに、その前提として国文法を知らなくちゃ話にならない。昨晩の続きだが、「独立語」という国語学の学術語について考えよう。
君:昨晩は感動詞のお話だったわね。ほほほ、感動詞は単独で文章が形成で来るから独立語よ。
私:まあ、そう急ぎなさんな。確かに結論はそうだが。「どうぞ!」が感動詞かどうか文法上、問題になる事をお話しした。
君:ただし「どうぞ、お食べ。」の文章からすると「どうぞ」は「感動詞かも知れない独立語」ね。
私:正解だ。その前に、独立語の定義。簡単にひと言、前後の文章と直接結びつかない部分だ。基本的には感動詞、接続詞、陳述副詞の三品詞。
君:感動詞は例を挙げるまでも無いわね。接続詞の例は?
私:今日の主題といってもいいかな。「どうぞ、お食べ。」は接続詞と捉える考えがある。名詞の場合もある。A子、会いたかったよ。
君:ほほほ、それはいいから陳述副詞の例は?
私:これは実に広範囲だ。独立語文、という言葉もあるな。「いやな男!」なんてのもそうだ。どうだい、左七の心の余裕。
君:ええ、認めるわ。ただし、内容をね。ところで、いくら広範囲と言っても、なんとか一言で説明できないかしら。
私:ほいきた。叫び、受け答え、掛け声、挨拶、呼びかけ。要はなんでもあり。
君:今夜のお話はパンチが無いわね。
私:木枝増一・高等国文法新講文章編の内容を紹介しよう。二つの観点から定義される。★ひとつは文節同志の関係。修飾・被修飾とか、対等・並列とか、条件・帰結とか、題目・解説とか、切りがない。★もうひとつは主部、述部、広義の修飾部、単なる独立部、のいずれか。
君:確かにね。
私:もう一点、大切な点がある。独立語と続く語との関係性。関係性があるものとないものに二分できる。
君:いくら独立語だとて関係性は皆あるんじゃないの?
私:いや、そうでもない。関係性がある例としては、「人間、須く辛抱が大切」など。無い例としては「あの、若しかしてA子さん?」
君:「あの、若しかして(沈黙)・・・A子さん?」。脈絡があるとは言え、実は関係性の無い独立語が三つね。ほほほ

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