大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 文法

頭音法則

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頭音法則(とうおん〜)をネット検索しても 韓国語の情報のみのようです。 山口明穂等、日本語の歴史、東大出版会、 によりますと、奈良時代の日本語について 音韻上の幾つかの発見があり、 その総称として用いられます。

さてその和語の頭音法則とは
1.母音の単独音節は語頭以外には立たない。
  言い換えれば、語中と語尾に単独の母音音節は無い
2.ラ行音は文節の始めには来ない。
3.濁音は文節の始めには来ない。
以上の三点です。

更には、奈良時代の日本語では、 複合語が形成される場合には次のような 事象が生じます。
4.前項末尾母音の脱落
  例 安流美 あるみ (=荒海 あらうみ)
5.後項冒頭母音の脱落
  例 波奈礼蘇 はなれそ (=離れ磯 はなれいそ)
6.連母音融合
  例 左家理 さかり (=咲きあり)
    名毛伎 なげき (=長息 ながいき)
    意悲志 いぃーし (=大石 おおいし)
7.子音の挿入
  連母音を嫌ってことさらに子音を挿入する事。
  例 波流佐米はるさめ (=春雨)

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