複合動詞の後項動詞・まわる、ですが、
飛騨方言では別稿の如く、まる、になります。
話がややこしいのですが、実は、後項動詞まくる、も一語が脱落し、まる、になります。
例えば書きまくる、は、書きまる、になります。
意味は全く同じです。
単に書くという意味ではなく、繰り返し書く、とことん書く、書き続ける、という意味ですね。
また、後項動詞・まる(=まくる)、は後項動詞・まる(=まわる)、と同じく
ラ行四段活用であるため、飛騨方言でも共通語と同じく連用形は必ず促音便・まって、になります。
連用形に於いてハ行四段活用動詞・舞ふ、と同音異義語になってしまうのです。
ただし、共通語では駆け回るといいますが、飛騨方言では、駆けまる、とは
どうも言いませんね。どうやら前項動詞の制限があるようなのです。
ところが共通語で〜まくる、という言い回しは全て飛騨方言〜まる、に
変換可能のようなのです。例えば、
電話を掛けまくる−>電話を掛けまる
書きまくる−>書きまる、
食べまくる−>食べまる、
言いまくる−>言いまる、等々。
例文ですが、
- 電話予約しかせんもんで、かけまったが予約はとれなんだ。
- 書初めやではりきって書きまるぞ。
- 正月で食べまって体重が増えた。
- おんなじ事ばっか言いまるってのぁどうかとおもうぞ。
それにしても、後項動詞・まる(=まわる)には前項動詞の制限があり、
後項動詞・まる(=まくる)にはそれが無い、ともあれ第一報でした。
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