ぬくとまる という飛騨方言の動詞は、温まる、ぬくぬくとした状態になる という意味です。
母親は子供が風呂上りに湯冷めしないように、子供の肌着を予めコタツの中に放り込んでおきます。
子供はそれをさっと来て、寝巻きを着て、お休みなさいを言えば一日の仕事は終わりです。
飛騨の冬は寒いのですが、セントラルヒーティングなどという気の利いたものは昔はありませんでした。
コタツはありますが、居間にひとつ石油ストーブが更にあるのがせいぜい、室内の空気はりんとしているため、どこのご家庭でもお手軽子供スキンシップサービスをしていたのです。
度忘れ、子供の仕事はまた終わっていませんでした。
寝床では、じいちゃん・ばあちゃんの昔話をふたつも、みっつも聞いてそれで仕事は終わりです。
そしてじいちゃんも、半分寝かかった孫に "しゃみしゃっきり"といって寝ます。
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