大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 春だもの、家庭科の先生のスカート

春近し、じべたをくます、ぼたや庭
春近し、じべたがくんだ、ぼたや庭

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飛騨方言の"じべた(地べた)"は、共通語の"地面"をさします。 また飛騨方言の他動詞"くます(五段)"は、"ちらっと見えるようにする"という意味で用います。 他に飛騨方言自動詞"くむ"は、"ちらっと見える状態である"という意味で用います。 飛騨方言の"ぼた(名詞)"は、炭鉱のぼた山の意味ではなく、共通語の"土手"をさします。 ということでこの一句に飛騨方言を三種入れてみました。飛騨方言自動詞"くむ"でも詠んでみました。

文例ですが、"家庭科の先生がシュミーズをくましとるぞ(=シュミチョロにしているよ)、やくとやろ(=わざとでしょ)。" "川にもぐりこんで、はや(=もはや)三分もたつけど、おぼれとらんがい(=ていないかい)。 あっ!頭がくんだ(=出た)。生きとるわい。あいつぁがおろ(=河童)や。"

さて、土手、庭先、運動場、田畑、屋根など順に表面を"くまして(=見せて)"くるのが春先の風物詩ですが、 なかなか"くまさ"ないのが、裏山、最後の最後まで"くまさ"ないのが、故郷は遠きにありておもふもの、そう乗鞍岳ですね。

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