大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 腹掛けだけのさるぼぼちゃん

さるぼぼもさぶぼろがあろう、さぶい朝

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さるぼぼ人形は有名ですからあまり説明は要らないでしょうか。 飛騨方言"さぶぼろ"ですが、寒さが原因の鳥肌の事をいいます。 また、共通語で"さむい"は、飛騨方言で"さぶい"です。さぶいために肌がぼろぼろになるので、 "さぶぼろ"と言うのです。春近しとはいえ、朝晩の冷え込みはまだ厳しいので一句詠んでみました。 さるぼぼ と さぶぼろ の語呂合わせがつい、思い浮かんでしまいました。

実は、朝が"さぶい"と、ついつい、でてくる言葉は "しみる(=体にこたえるほど冷えている)" です。古語に 凍む(しむ) があります。 "あーれ、さぶい。しみるなあ。こんだけ(=これだけ)しみると、どもならん(=どうにもならん)。"  飛騨は涼しい夏、さぶい晩秋、しみる冬です。 ですから、
さるぼぼもさぶぼろがあろう、しみる朝
 と言い換えたほうが、 飛騨方言俳句らしいのではないでしょうか。

さて、飛騨方言の形容詞ですが、"さむい"が"さぶい"ですので、眠い は ねぶい といいます。 また、"眠たい"は"ねぶたい"ともいいます。 同様にして "けむい" は "けぶい"、"煙たい"は"けぶたい"が飛騨方言です。

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