大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 餞別は人目をはばかり、さっと

やんだいても恩師は"あーれこわいっ、もらえんさ"

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春休みになり、突然に小学校の先生の人事異動が発表され、恩師が転勤となりますと謝恩会があります。 親の入れ知恵ではありませんが、担任だった先生にお小遣いの一部を封筒に入れて餞別としてお渡ししようとしたら、 先生は大変に驚かれ、そして、子供がそのような大人の礼儀を真似しなくてもよいと、またお金は大事に、 学用品などに使いなさいと言われた事がありました。

飛騨方言"やんだす"ですがネットでヒットするのは百件程度で、 飛騨固有の俚諺としては抜きんでている"やんだす"です。 意味は"差し出す、突き出す"という事でおそらくは"遣り(やり)だす"の音便変化でしょうか。 あたりをはばかり、ささっと恩師に餞別を差し出す場合、"やんだす"という言葉が生きてきます。

"あーれこわいっ、"は、とてもかたじけないと解釈できます。また一方、同飛騨方言は、 大人からみて子供の行動の馬鹿馬鹿しさにあきれるという意味にも、如何様にも解釈できます。 "もらえんさ"は、いただけませんの意味で男女共通の動詞です。 "もらえんぞ"となりますと男性の動詞になります。

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