この飛騨方言俳句でずが、飛騨方言を知らない方が学ぶべき大切なポイントがふたつあります。
ひとつは、飛騨方言では主語を表わす助詞"は"が明瞭に発音されず、極端な場合、省略される事もあり、
主語である事を強調する場合にも、"わ"ではなく"あ"に近い発音になる事です。
"わりゃなんや?(=あなたは何をしているのですか)"に対して、
"おりゃ学校や。(=私は登校する所です)"で会話が成立します。
"わりゃあ、えらい早いな(=あなたはやけに早い登校ですが)。ストーブ当番か?"が会話の締めくくりです。
もう一点は、古語に由来する、"〜ず"の表現で、飛騨方言・飲まず は 飲まない という意味では
なく、のまむとす が転じて のまず と変化したものであり、飲まず、食わず というのは
餓死寸前だ という意味ではなく、その逆で、飲んだり食ったりするでしょうよ、乃至、〜する予定です という意味になります。
長野方言講座
に詳述してありますが、信州でも同様表現があるようです。"飲まず、食わず"は同サイトから拝借しました。
興味深いのは長野と飛騨の地理的接点、開田村方言ですが、飛騨方言とは異質ですので、
北アルプス山脈が東西方言の分岐なるもむべなるかなと考えていたのですが、意外な語彙で
信州と飛騨のつながりを発見した気がしました。
上記の飛騨方言俳句の意味ですが、非冬眠動物も極限の飢餓状況から脱し、いよいよご馳走の季節が間近です。
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