大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム 四月からは、ちいとつ勉強

小雨のしこ、ちいとつぬくとい入学式

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飛騨方言"しこ"ですが、共通語で模様、様子などの意味になります。

また飛騨方言"ちいとつ"ですが、少しずつという意味です。 "ちいとつ"+"方言"のキーワード検索では 紀州田辺界隈の方言、及び当サイト辞書からの発信があるのみでした(Google, 2005.4.1)。 勿論、紀州田辺界隈の方言と同意ですが、極めて珍しい言葉ではないかと考えます。 飛騨方言の日常会話では頻繁に出てきます。

また飛騨方言では、"ちいとずつ"も同意で用いられますが、"ちいとずつ"+"方言"で検索しますと、五十件ほどヒットします。 お察しの良い方には言うまでもありませんが、"ちいとずつ"が"ちいとつ"の元祖なのでしょう。 飛騨及び紀州田辺界隈では"ちいとずつ"から"ちいとつ"へと、話し方が簡略化されているのです。

文例ですが、入学式では新担任の女先生がおっしゃるでしょう、 "ちいとつ学校に慣れるんやよ。 今日からちいとつ勉強するんやよ(=しなさいね)。 給食はあわてず、ちいとつ食べるんやよ。 廊下は走らず、ちいとつ、そうそと(=そうっと)歩くんやよ。 みんなの名前は全部いっぺんに覚えれんで、ちいとつ覚えるんやよ。" と。

俳句の意味は、ああとうとう雪も降らない季節になって小雨の様子だが、 少しばかり温かくなったこの時期の入学式という事ですが、寒がりの家では、まだまだコタツを使うでしょう。

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