大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム ゆうざらいのあとはいつもの酒

ゆうざらい、せらいさらってあとは酒

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飛騨方言・ゆうざらいですが、どうにもこうにもネット検索ではヒットゼロとなってしまいました。 ありふれた日常語ですが、他の地域の方にはちんぷんかんぷんの言葉なのでしょう。

この言葉の意味は毎年四月末から五月はじめあたり、村の男衆が特定の期日を決めて 村の全部の用水路の保守整備を一日で行う、共同作業の事です。全員参加の村の大事な行事というわけです。 春にこの作業をしてこそ、限られた水資源を各戸の全ての田畑に安定供給できるわけで、 我田引水など行うべくもありません。

実際の作業の内容は、水流をよくするために水路の泥をさらい出す事ですので、ゆうざらいという言葉が 生まれたようです。また ゆう、は 結い、つまり農作業の助け合いの意味になりましょうが、 近年は用水路もよく整備され、ほとんどコンクリートのユー字溝となっていますので、 ユー字溝の泥をさらうという意味合いでユーざらえと表記したほうが、より的確な表現なのかもしれません。

一日でその仕事が終わりますと、あとはお定まりのコースですが、村の公民館に集結し、酒宴が始まり、 あれこれ情報交換の楽しいひと時となります。

尚、せらいさらっての意味ですが、精だいてさらってが転じた言葉ですので、せらいの元々の意味は、 一生懸命にてま、ひま、時間をかけてという意味だったようですが、いつのまにか、 さっさと、要領よく、時間をかけないでという逆の意味で使われるようになったようです。 そして、公民館へ直行、さっそく一杯。

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