大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

あぶらえを播いて八十八夜かな

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飛騨方言・あぶらえですが、エゴマと言い、ゴマと同じく、中国原産のシソ科植物です。 葉っぱは、天ぷらにすると、香りのよい一品という事で、また飛騨の方言グッズ商品に 各種あぶらえ一次加工品があるようです。

私はあぶらえは食べたことはあっても播いたことは無く、 生活体験を詠んだ句ではありませんし、また最近のあぶらえ一次加工品も口にした事が なく、心の中の故郷の風物詩。

さて、句意ですが、高冷地飛騨でも八十八夜を過ぎると、茶摘みならぬ、あぶらえを播きはじめます。 おそらくは地球温暖化の影響でこの平成の世に飛騨に四月ですら霜が降りる事は なくなっているのではないかと思いますが、霜警報がでますと、四月に植えた せんだいも(=ジャガイモ)などは、わら(藁)やこも(菰)をかぶせて霜の害を防ぎます。

これはさすがに幼児原体験がありますね。空から何か怖いものが降りてくるらしいと いう事で大人があれこれ、やわい(=準備)をしていているのを見て、 どうか何事もおこらないでくれと祈ったような思い出があります。

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