大西佐七のザ・飛騨弁フォーラム

ニイニイゼミ、しょんべをまって逃げてった

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ニイニイゼミのおしっこ というインターネット記事がヒットしました。 私は昆虫少年というほどではありませんでしたが、田舎ゆえあちこちに沢山セミが鳴いていて、 身近にいるとどうしてもつかまえたくなってしまうのですね。

つかまえるといって、だからどうと言う事でもない、昆虫採集の宿題のためでもなし、 がしかし、やはり子供心がかきたてられるのでしょう。 ゴキブリをみつけても、わっ捕まえたい、とは普通思わないのに、庭の木にセミが鳴いていると どうしても捕まえたくなってしまいます。

ところで、飛騨方言では、おしっこ、は、しょんべ、です。しょうべん、が少し訛っています。 そしておしっこをする、は、しょんべをまる、といい、 古語辞典にも、動詞・まる(他動ラ四)は、大小便をする事、と説明があります(竹取)。 飛騨方言では未然形、失礼、連用形・まりて、は、促音便化して、まって、といいます。つまり、
しょんべをまってまって
といえば、
(1)しょうべんをまりてしまいて、と言う意味、つまり、小便をさっさと済ませて、という意味になります。あるいは、

(2)場合により、おもらし・そそうをしてしまって、という意味になります。あるいは、

(3)しょんべを待ってまって、と書けば、小便をがまんしてしまって、 つまり、そそうをせずがまんして、と言う意味の飛騨方言になります。
私は昆虫をとるのがへたで、むしろニイニイゼミにしょんべをまられて(し)まってばかりでしたが。 うう、くやしい。

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