うつくしょう、というのは美しく、のウ音便です。
飛騨方言では形容詞は必ずといっていいほどウ音便になりますので、
この部分が飛騨方言らしいといえます。
また、飛騨方言動詞・いろむ、ですが、共通語の、色づく、に相当します。
句意ですが、美しく食べるという事は、飛騨方言では残さずきれいにペロリと食べるという意味です。
うっつくしょう、というのは更にそれの強調表現です。
そして、うつくしょういろむ柿、というのは、美しく色づく柿、という意味で、
文字通り、見事に赤く熟した柿、という意味です。
どうにも、技巧的という以前につたないだけの倒置法の句ですが、
他に良い言葉の並べ替え法があるでしょうか。
美しょういろむ柿食べる、うっつくしょう
美しょういろむ柿、うっつくしょう食べる
うっつくしょう食べる柿、美しょういろむ
うっつくしょう食べる柿いろむ、美しょう
などとも言い換えられなくもないでしょうが、やはり不安定句ですね。